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すー日記別館: 読書記録 乱読の記録です。

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『母性』湊 かなえ


『母性』湊 かなえ

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これ(・・)は事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。

さすが、イヤミスの女王!
いや~な気持ちになる描写、てんこ盛りでした!

愛されて育っても、こんな風になっちゃう人っているんですね…。(いるのか!? とも思いますが、実際、いそうでオソロシイ)。

この「母親」のほう、読んでいて「アダルトチルドレン」という言葉が浮かびました。でもアダルトチルドレンというのは「親がアルコール依存」「不適切な養育を受けた」という定義があるみたいですね。彼女は そうではないので、単に「精神的に未熟」な人なのかな。

っていうか、「自分がない人」でしょうか。「お母さん」が判断のすべてで、自分はいつまでも「娘」。自分の考えや意見がなくて、すべて「お母さん」が基準。

娘ちゃんがかわいそう…

父親も、なぜ同居なんかする!? 生活が苦しくても別居のほうが絶対に楽でしょうにと、私なんかは思ってしまうのですが。束縛から逃れられないって、そういうことなのでしょうか。

そして、最後に分かる父親の「行動」に、「こいつも… 似たもの夫婦…」と思ってしまいましたemoji

解説、間室道子さんの「信用できない語り手」という視点がおもしろかったです! (代官山 蔦屋書店、文学担当さんとのこと。へぇぇ~)。

「「信用できない語り手もの」が持つ不安定さは、彼らではなく、読み手である私たちの常識や正気、弱さ、愛を確認するためのものなのだから。」(解説より)。

…なるほど!!

  

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『ヌヌ 完璧なベビーシッター』レイラ・スリマニ


『ヌヌ 完璧なベビーシッター』
レイラ・スリマニ/松本百合子・訳

パリ十区のこぢんまりしたアパルトマンで悲劇が起きた。子守りと家事を任された“ヌヌ”であるルイーズが、若き夫婦、ミリアムとポールの幼い長女と長男を殺したのだ。そしてルイーズも後を追うように自殺を図り―。子どもたちになつかれ、料理も掃除も手を抜かない完璧なヌヌに見えたルイーズがなぜ?事件の奥底に潜んでいたものとは!?2016年フランスのゴンクール賞を受賞した話題作。
(文庫裏の紹介)

女性の就業率が高いフランスで大きな需要のある「ヌヌ」。ベビーシッターより「乳母」に近いイメージでしょうか。女性の就業率が高い上、出産率も高いため、どうしても必要になる存在。安心できる&腕のいいヌヌは口コミで捜すのが一番、獲得は時に競争、と聞きます。

本作に登場するヌヌも、そんな感じで とっても評判のいい女性。しかも白人。料理も上手で、家事もやってくれる。そんな彼女が… というお話なんですが、最初に「事件」の存在が知らされるので、読んでいて すごく怖かったです! 雇い主とヌヌの感情や思惑、距離感、関係性も絡み、その平穏さが怖い! という感じ。

ロウフィールド館の惨劇』(映画版は『沈黙の女 ~ロウフィールド館の惨劇』) 的なことかな? と思ったら、そうではありませんでした。「直接の原因」は描かれていない。でも、そういう瞬間があるというのは、分かるような気がしてしまう小説でした。「魔が差す」というのでしょうか…



↓ ヌヌについて、このへんが非常に勉強になりました。(過去記事★)
 


↓ 『ロウフィールド館の惨劇』&『沈黙の女 ~ロウフィールド館の惨劇』の惨劇の引き金は、日本にいると想像しにくい「フランスの一面」でした。(ヨーロッパは、けっこうあると思います。最近は移民の絡みでも)。
 

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