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すー日記別館: 読書記録 乱読の記録です。

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『ウィーンの密使―フランス革命秘話』藤本 ひとみ



ウィーンの密使―フランス革命秘話』藤本 ひとみ

オーストリアの青年士官ルーカスは皇帝の密使を受け、フランス王妃マリー・アントワネットの元に向かう。フェルセンとの恋に身を焼くアントワネットを説得し、ミラボー、ダントン、ロベスピエールらを利用して、革命阻止をはかるルーカスに迫る影。王妃が皇帝にあてた密書とは。激動の二都に展開する大河ロマン。(文庫裏の解説)

トスカナ大公レオポルトの顧問を祖父に持ち、
オーストリア宮殿で育ったルーカス。
マリー・アントワネットの幼なじみであり「お気に入り」だった彼は
“他国の王政をも揺るがしかねないフランス革命を収束させ
フランスに嫁いだ「オーストリア女」の汚名を拭う”という密命を受け
アントワネットの意識改革とフランス革命の方向転換を試みる…

というのが筋書きなんですが、
メインテーマというか目指すところは

国王一家はなぜ、失敗したら自分たちの首を絞めることになる
ヴァレンヌ逃亡事件を思いとどまることができなかったのか?

…という話のように思いました。


その要因の1つにフェルゼンが挙げられていて、
言われてみれば、確かに、フェルゼンも相当なダメ男かも、という感じemoji

ルーカスがフェルゼンに対し

「私は、20年振りにトワネット様にお会いした。
だがトワネット様は何一つお変わりになっていない。
もう少しはっきり言えば、20年間少しも成長なさっていないということです。
あなたの愛は、あなたの人生を変えただけだ。
ただの一歩も相手を成長させない真実の愛というものがありますか。
それは真実の愛ではなく、享楽の愛、楽しむだけの愛というものでしょう」

…と言うシーンがあるんですが、(「」内、引用です)、
確かに、彼がしっかりしていたらなら変えられたのでは? と思ったり、
変えようとする相手なら、王妃は離れていったのかも? と思ったり。

いやはや。


フェルゼン同様、この本を読んで、
マリー・アントワネットのイメージも がらりと変わりましたemoji

これまで、環境ゆえに現実から逃げてしまった、
決して悪い人ではないのだけれど「分かっていないヒト」
「周りが成長させてくれなかったかわいそうな人」と思っていたのですが、
本書に登場する彼女は「プライドに凝り固まり自分の立場にしがみつく
とんでもない高飛車女」でした。

自分の立場や生まれ育った環境、親兄弟を見ていて
それなりの賢さがあれば理解できる/すべきところはあったでしょうから
基本的にお馬鹿さんだったのかな… って感じですね。
(あと、小説でも指摘されていましたが、時代感覚がなさすぎる)。

解説(関口苑生さん)に
「多くの記録から判明していることだが、
マリー=アントワネットは、生まれた時からほとんど放置された状態、
教育を受けることのない状態で育てられたという」とあり、
そういう意味では、やはり とても気の毒だったのかもしれません。

教育がなくて、特権階級のプライドと慣れだけがあったら、
(それに加えて自分で気付いて変わろうとする賢さがなかったら)、
そりゃあ とんでもない王妃になりますよねぇ…


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マリー・アントワネットの娘、
マリー・テレーズの話も読み返したくなりました!
 

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