忍者ブログ

すー日記別館: 読書記録 乱読の記録です。

RSS TWITTER RssTwitter

『赤道』明野照葉


赤道』 明野照葉

アパートの一室。男は、全身を切り刻まれ、鮮血に染まっていた――。きっかけは、バブル崩壊後のバンコク赴任だった。炎熱の街で、美しい妻は精神が崩壊し、去った。会社を辞め、男の中に堅く封印していた「心の闇」が暴れ出す。売春斡旋、転生(サンサーラ)ビジネス。堕ちていく男の魂は行き場を求めて彷徨する。松本清張賞受賞作家が生きる意味を真正面から問う衝撃作! (文庫・裏表紙の解説)


すっごい、ぐいぐい読んじゃいました。

堕ちていく、というか、中途半端なプライドが邪魔して堕ちきれず、宙ぶらりんな男の話!

バンコクという町の魅力も大きいと思います。
行ったことがないので、適当な想像で読んじゃってますが。

バンコクで暮らし、しかしそこの生活に馴染みきれない修二(シュウ)。
生命力旺盛なテイ。裏ビジネスの橋渡しで生活するチョルナムとナモク。
日本にいる親・姉兄との関わり。

修二の、別れた妻、「綾」への執着が不思議な感じでした。
ああいう風になったから尚更、執着する部分もあるんでしょうか。
彼女の、そこまでの魅力がよく分からない… と思うと同時に、惚れ込んだのが この男じゃ、別に大した女でもないのかな? と思ったり。(律のほうが、人間としても女としても上等に見える!)

「やろうとすれば、ある程度のことは何でもできる。それだけのものに恵まれながら、なぜかきちんとなし得たことは何もない。能力はあって真っ当そうに見えるだけに、一番性質(たち)の悪い出来損ないかもしれなかった」(本文より)

…もったいないと言うか、何と言うか。逆に、「ある程度のことは(やれば)(ある程度のレベルまで)できる」ことを自分の「優位性」と捉えているところがダメな感じかも…。

「馬鹿だねー」(中略)「生きる死ぬは自分で考えることじゃないでしょうが。だって、生まれたきた時だって、自分で考えて生まれてきた訳ではないでしょうよ。シュウはさ、そういうこと考えるからおかしくなるんだよ。そういうことはね、人間が考えることではないんだよ。わかるか?」(本文より)

そりゃそうだ。

中年になってコレ言われてるって、永遠の中二病emoji


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

拍手[0回]

PR
Comment
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。