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本読みの記録 乱読の記録です。

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『優しいおとな』桐野夏生


『優しいおとな』桐野夏生

福祉システムが破綻した日本。スラム化したかつての繁華街“シブヤ”の野宿者・イオンは、闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを助ける会」、女性ホームレス集団「マムズ」…彼の「優しいおとな」はどこにいるのか。桐野夏生が描く、希望なき世界のその先とは。 (文庫裏の紹介)

地下鉄が完全自動運転になり、渋谷の駅前からハチ公がいなくなった時代… たぶん近未来? の「渋谷」で生きる、ホームレス少年イオンの物語。助け合う集団から距離を置いて一人で生き、難しい漢字は読めないけれどマンガを愛し、昔、知っていた年上の少年との再会に焦がれる少年。

「おとなは三種類だ。優しいか、優しくないか、どっちつかずか。優しいおとなは滅多にいない。やさしくないおとなからは、すぐ逃げろ。でも一番僕たちを苦しめるのは、どっちつかずのやつらだ。しかも、そいつらは数が多い。絶対に信用するな」(本文より)

渋谷の「地上」を捨ててアンダーグラウンドに入り、そして… という冒険譚的な流れもあり、ぐいぐい引き込まれました。

主人公イオンの過去が最後のほうで分かるんですが、その真相にもビックリ。

舞台は近未来の「渋谷」ですが、「今」と重なる部分もたくさんあるんじゃないかと思います。(人との関わりの、いろいろ壊れている感じとか…)

解説(雨宮処凛さん)によると、日本の若年ホームレスは児童養護施設出身者が多いんだそうです。そこを出たとたんに、むき出しで社会に放り出される。

本作では、「児セン(児童保護センター)」のヒドさの描写が登場しています。(今の、養護老人ホームの虐待のニュースなんかを考えると、ぜんぜん ありえる気がして恐ろしい)。

有川浩『明日の子供たち』と合わせて、若い人たちに読んでもらいたいかも。





↓ストリートチルドレンで、これも思い出しました…

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