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すー日記別館: 読書記録 乱読の記録です。

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『何者』朝井リョウ


『何者』朝井リョウ

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。 (Amazonの商品説明)


朝井リョウさんの直木賞受賞作。
いっとき、映画館で映画を見るたび、映画化された この作品のトレーラーが流れました…

ツイッターの「つぶやき」が随所に引用される、とても「今どき」っぽい小説。
今どきの若者たちの、今どきの就活模様。
SNSに発信された形での「自分」と「本当の自分」の距離。
若者という存在の、変わらぬエゴ。

なんというか、この小説は面白いんだろうか… という気持ちを抱きつつ淡々と読んでいたんですが、最後、(文庫で読んだので)解説に入った瞬間に泣きそうになりました。

頑張れ、若者…


変な言い方ですが、こういう話を、ヒリヒリするものを感じることなく読める年齢になっていて嬉しいなあ、私。(大人になるって何て楽ちんなんだろう。年くうってスバラシイ!)

と同時に、仕事柄… かどうか分かりませんが、(字幕翻訳者です)、ご縁をいただいた作品や自分の名前でエゴサーチをすること、けっこうあるんですが、ほかの誰かや その作品を悪評判を求めるワードで検索するなんて不毛なことは考えたことがなかったので、ちょっとビックリしてしまいました。←きれいごとっぽいですが、これはたぶん、業界の方、みなさん、そうなんじゃないかと思います。こういう作品に関わりたいとか、あの作品、やりたかったなと思うことはあると思いますが、あの人が○○で悔しいとか、特定の誰かより良い作品に関わりたい!高く評価されたい! なんて、この大量の映像作品の海の中で考え始めたら、漠然としすぎていて自分が溺れてしまう気がします。

…でもって、そのようなことを考える程度には、やっぱり私も、自意識と「俯瞰者でありたい自分」を内に抱えているんだろうな、と思ったり。


瑞月さんの
「十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。これから目指すことをきれいな言葉でアピールするんじゃなくて、これまでやってきたことをみんなに見てもらいなよ。(…)」という言葉には、とても共感しました。(それにしても、こういうことを、咄嗟に、こんな風に言葉にして出せる人って凄いよなあ…) ←いやまあフィクションですけどemoji

解説の三浦大輔さんの、「表現者のエゴ丸出し」を表現した解説も、とても面白かったです。


ところで、「友達」という言葉は難しいですよねー。
例えば
瑞月さんと理香さんって、別に「友達」じゃないですよね?
大学時代って、こういう「にわかの友達(っぽい知り合い)」、多い気がしますが。


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↓解説に名前が出ていた作品。
 
   前に読んで泣いたやつ↑



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