『花妖譚』司馬 遼太郎
『花妖譚』司馬 遼太郎
清の八十翁・松齢(しょうれい)の庭に突如咲いた一茎の黒い花。不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは(黒色の牡丹)。人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角(おづぬ)がついに到達した夢幻の世界とは(睡蓮)。作家「司馬遼太郎」となる前の新聞記者時代に書かれた、妖しくて物悲しい、花にまつわる十篇の幻想小説。(文庫裏の紹介)
司馬遼太郎氏が、作家活動の最初期に、本名の福田定一名義で書いた短編十編。未生流家元出版部から発行されていた月刊機関誌「未生」に、ほぼ隔月ペースで掲載されていたとのことです。(菅野昭正氏の解説より)。
旦那くんが司馬遼太郎 好きで、ほぼ全部読んでいるんですが、これは読んだことあるまいと思い、図書館から借りてきました☆
花をテーマにした幻想小説。かなり軽め。ですが、司馬遼太郎の文章って、軽い話でも硬質ですよねー。
【収録作品&自分のためのメモ】
森の美少年 :ナルキソスの話。
チューリップの城主 :播磨国三木城の城主、別所長治。
黒色の牡丹 :怪異譚を収集する老人。
烏江(うこう)の月 謡曲「項羽」より:ケシの花の丘。
匂い沼 :宋の書生、子青。沈丁花。
睡蓮 :役(えん)ノ行者、小角(おづの)。血統は出雲族である。
菊の典侍 :「芳野襍記(よしのざっき)」、南北朝時代。
白椿 :幻術を自得した塩売長治郎と「しず」さん。
サフラン :アラビアの砂漠、無道時代。(コーランによる統一の前)。
蒙古桜 :西暦1240年、ジンギス汗の子、大汗オゴタイの時代。
ええと、「蒙古桜」に出てくるサラの、桜草を生かそうとしての行動、あれはどうなのか… ロマンなんでしょうか? (男性が考えるロマンっぽいなあ)。…っていうか、単純に、痛そう


↓何となく、「花」つながりで…
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